裁判のテレビ放映

  • 2016.01.18 Monday
  • 12:47
弁護士の村田です。

さて,先日,とあるニュースにて弊所の宮崎弁護士がテレビ出演をしておりました。
と言っても,コメンテーターとかで出演したのではなくて,とある刑事裁判に関するニュースの一コマで,法廷でのシーンに弁護人にとしてその裁判に関わっていた宮崎弁護士が数秒映っていただけ,というものですが。

そんな訳で,今日は裁判のテレビ放映に関するお話です。
とは言うものの,裁判は原則「撮影」「録音」は禁止です。
裁判は公開されていますので,誰でも自由に見に行くことはできますが,とは言えプライバシー等の問題がありますから,人権保護等の観点から勝手に「撮影」「録音」することは禁止されているのです(なお,アメリカなどでは裁判を放映することがあるようです)。
そのことは法律でも定められており,民事裁判であれば,民事訴訟規則第77条に「法廷における写真の撮影,速記,録音,録画又は放送は,裁判長の許可を得なければすることができない」とあり,刑事裁判であれば,刑事訴訟規則第215条に「公判廷における写真の撮影,録音又は放送は,裁判所の許可を得なければ,これをすることができない」とあります。

したがって,テレビ放映にて実際の裁判の様子が放送されることは基本的にありません。
皆さんもテレビのニュースで実際の裁判が進行している様子を見たことはないはずです。
では,テレビで放映されている裁判の画はどこのシーンなのかと言うと,これは裁判が始まる前のシーンです。
テレビで裁判のニュースをする際,アナウンサーがその裁判の説明をしているシーンにて,法廷で裁判官が難しい顔をして微動だにせずに鎮座しているところを真ん前から数秒撮影した画が流れるのを皆さん見たことがあるかと思いますが,正にそのシーンです。
あれは,実際の裁判のシーンではなく,裁判が始まる前に撮影したシーンなのです。
裁判が始まると,当事者が裁判に参加するため,人権保護等の観点からテレビ撮影は許可されませんが,裁判前であれば,当事者はおりませんので,事前にテレビ撮影しますよと断った上で,数分間特別に法廷に裁判官が座っているシーンだけを撮影するのです。
当然,このときは裁判所から撮影許可が出ております。
また,撮影の際に弁護士はどうするのかと言うと,事前に裁判所からテレビ撮影の連絡が来ますので,テレビに映りたければ撮影の際に代理人席に座っていても構いませんし,映りたくなければ撮影が終わるまで法廷の外に出ていても構いません。
そんな訳で,冒頭の宮崎弁護士のテレビ出演も,関わった裁判で事前にテレビ放映の連絡があったものの,テレビに出ても構わないということで,裁判前にわざわざ代理人席に座って法廷撮影に出演していたという経緯なのでした。

さて,最後にもう一つ小話をしますと,法廷のシーンを撮影する際,裁判官は座っているところをカメラで真ん前から数分間撮影されますので,目の置き所に困ることがあるそうです(カメラ目線をするのも変ですし,かと言ってキョロキョロしているのも変ですよね)。
では,そんな時にどうするのかと言うと,法廷の構造上,丁度裁判官の目線の先の壁には時計が掛けられていますので,撮影が終わるまで裁判官はひたすらその時計を見続けるのだそうです。
そんな訳で,皆さんもテレビのニュースで法廷の様子が放映された際には,出演している裁判官が微動だにせずに見つめているのは壁に掛かっている時計なんだろうな,なんてことを思いながら見てみるのも面白いかもしれません。
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