リベンジポルノ

  • 2015.01.21 Wednesday
  • 12:17
弁護士の村田です。

先日,ニュースで(またニュースからネタを拾ってくるあたり,ネタ切れ感が甚だしいですが),強姦事件の示談交渉で弁護士が,被害者に対して「暴行の様子を撮影したビデオがある。示談に応じてくれればビデオは消去する。」旨告げて問題になったとの記事を見ました。
かかる弁護士の言動の是非については,前後事情がよく分からないので言及は避けますが,今回はそのような性的描写が含まれる映画像を巡る問題として最近ピックアップされていますリベンジポルノについてお話したいと思います。

さて,リベンジポルノと言えば,ここ数年で色々と問題になってきているという話をよく聞きますが,簡単に言えば恋人が別れた元恋人への復讐のために元恋人の性的な描写が含まれている画像等をインターネット上に流出させる嫌がらせ行為であると考えられています。
別れた原因がどちらにあるにせよ,そのような嫌がらせを受けた方は大きな精神的な苦痛を味わう訳ですが,最近,かかる行為を規制するための法律が作られたことは余り知られていないようです。

正式名称を「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」と言い,この法律では,いわゆるリベンジポルノ行為を行った場合には,犯罪になる旨明記されています。
具体的には,

\交又は性交類似行為に係る人の姿態
他人が人の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下この号及び次号において同じ。)を触る行為又は人が他人の性器等を触る行為に係る人の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
0疉の全部又は一部を着けない人の姿態であって、殊更に人の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの

のいずれかが撮影された写真等の画像記録を第三者が撮影対象者を特定できる方法で不特定多数の者に公開した場合には,3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する旨定められています。

したがって,今後そのようなリベンジポルノの被害に遭った場合には,一人で悩むことなく近隣の警察に相談することをお勧めします。
もちろん,弁護士に相談して被害届の提出を検討することも有益でしょう。
 

欠席裁判

  • 2015.01.20 Tuesday
  • 10:10
弁護士の村田です。

先日,江田島で起きた殺傷事件の公判が開かれたが,被告人が出廷を拒否したため,裁判に被告人が出てこなかったとのニュースがありました。
さて,刑事裁判において,被告人が出廷しなくても裁判が開けるのでしょうか。
なかなか珍しいケースだったので,少し記事に書いてみました。

そもそも,刑事裁判においては,被告人が出頭することが原則として義務付けられています。
すなわち,刑事訴訟法286条において,「………,被告人が公判期日に出頭しないときは,開廷することができない。」と定められているからです。
しかしながら,被告人がどうやっても裁判所に来ないときにまで,裁判ができないとなると非常に困ったことになります。
そこで,例外的に被告人が裁判所に出廷しなくても良い場合を定めた条文が刑事訴訟法286条の2で,「被告人が出頭しなければ開廷することができない場合において,勾留されている被告人が,公判期日に召喚を受け,正当な理由がなく出頭を拒否し,刑事施設職員による引致を著しく困難にしたときは,裁判所は,被告人が出頭しないでも,その期日の公判手続を行うことができる。」と定められています。
上記江田島の事件のニュースを見ていると,被告人が拘置所の職員に噛みつくなどして,裁判所に行くことを拒んだそうなので,正に上記条文に言うところの「刑事施設職員による引致を著しく困難にしたとき」に該当するとして,被告人不在のまま公判手続が進められたものと考えられます。
しかしながら,被告人不在のままですと,被告人質問(審理の中で被告人に直接質問して事件のこと等について聞く重要な手続)ができないことから,実際に審理を進めるにしても事件の背景事情等がよく分からず事案の解明が非常に困難なことになることとが予想されます。
しかも江田島の事件は裁判員裁判事件です。
一般の方々がわざわざ時間を取って裁判に参加していますので,基本的には予定の変更はできません。
そのような状況下において,今後江田島の事件の裁判がどのように進められるのか,非常に興味深いところです。

離婚問題のお話その1

  • 2015.01.19 Monday
  • 12:20
弁護士の村田です。

先日,芸能ニュースを見ていたら某ロックシンガーの離婚訴訟のニュースが出ていましたので,今回は離婚の話を少しだけ。

さて,離婚と一口に言っても,法律的には3つの方法があります。
すなわち,協議離婚,調停離婚,裁判離婚の3つです。

協議離婚は分かりやすく,夫婦が協議して離婚することで,いわゆるお互いが納得して離婚届に署名押印してそれを役所に届け出れば,すぐに離婚が成立します。
けれど,世の中の離婚問題の大多数がそんな簡単に行く訳ではなく,一方が離婚を希望し,一方が離婚を拒否した場合(あるいは,離婚すること自体は納得していても,子供の親権の問題や財産分与等の金銭的な問題で話し合いが決裂した場合),当事者同士の話し合いでは解決できないので,第三者に間に入ってもらった上で,話し合いを続けることになります。

そのために,まずは離婚調停を起こす必要があります。
法律は,いきなり離婚訴訟を起こすことは認めていませんので,話し合いの延長であるところの調停をする必要があるのです(これを調停前置主義と言います)。
ただ,調停が話し合いの延長とは言え,裁判官を含む調停委員会が当事者の間に入って話し合いが行われますので,当事者間の話し合いではまとまらなかった離婚が,調停委員に説得された結果,まとまるということもあります。
その場合,調停での離婚,すなわち調停離婚が成立します。

一方で,調停はあくまで話し合いですので,調停委員が説得しても話し合いが決裂することがあります。
その場合,もはや話し合いでは解決できないということで,離婚訴訟に移行します。
すなわち,裁判で白黒つけよう,ということになる訳です。
そして,離婚問題は理屈の問題だけでなく,感情の問題が多分に入ってきますので,調停でまとまらず訴訟に移行することが比較的多いようにも思います。
そうなると,お互いに相手の悪口等を言い合うような泥仕合に発展することがあり,代理人も含め裁判に関与した当事者皆が精神的に疲弊するといった事態もしばしば。
その辺が,離婚訴訟が難しいことの理由の一つですね。

さて,裁判の結果,裁判官が離婚相当と考えれば離婚判決が出て,裁判離婚が成立することになりますが,離婚不相当と考えたのであれば敗訴判決が出て,離婚はできないことになります。
しかしながら,離婚したくないと考えていた被告側は,仮に離婚訴訟で勝訴しても実質的には意味のない勝訴になってしまうことも考えられます。
すなわち,裁判で離婚を争っているような場合,通常は既に別居していると考えられますので,仮に離婚を求める原告が敗訴したとしても,じゃあまた一緒に暮らしましょうということにはなりません。
裁判所はあくまで現段階では離婚は認められないということを法的に確定させたに過ぎず,夫婦が一緒に生活することを強制することはできないからです。
そうすると,離婚訴訟が終わった後も結局夫婦の別居は継続することになり,それが長年継続すると,夫婦の実体はもはや存在していないということで,新たに離婚訴訟が提起されてしまうと,最終的には離婚が認められてしまうということも考えられるのです(裁判実務上では,3年近く別居期間が継続すると,離婚が認められることが多いように思います)。
したがって,離婚したくないと最後まで抗って一時は離婚訴訟で勝ったとしても,いずれは離婚しなければならなくなる時が来ることもありえる訳です。

そういう訳で,夫婦の一方が何があっても離婚したいという固い決意を有している場合,元の夫婦生活に戻ることは事実上難しいというのが実情で,法律だけでは解決できないもどかしさがあります。

返ってくるのか着手金

  • 2015.01.05 Monday
  • 14:35
弁護士の村田です。

皆様,新年あけましておめでとうございます。
さて,新年1回目の更新がお金の話で恐縮ですが,今日は弁護士報酬のお話を少ししてみたいと思います。

先日,とある弁護士事務所の弁護士が,依頼者から着手金の返還を求められて訴訟を提起され,敗訴したとのニュースがありました。
この着手金というのが曲者で,弁護士報酬の中でよく依頼者と揉めることが多いイメージがあります。

そもそも弁護士に事件処理を依頼する際,発生する弁護士報酬としては,一般的に着手金と成功報酬の二つがあるように思います。
成功報酬は分かりやすいですね。
読んで字の如く事件処理に成功した際に発生する報酬で,例えば金銭的に請求している事件であれば,相手方から回収した金額の何%を成功報酬とする,といった取決めをしておくことが一般的です(その割合としては,相手方に請求する金額にもよりますが5〜20%のどれかであることが多いでしょう)。
では,着手金とはなんぞやと言いますと,これも読んで字の如く弁護士が事件処理に着手,すなわち事件処理を開始したことそのものに対する対価です。いわば前金ですね。
ここでよく誤解が生じるのは,あくまで事件処理に着手したことに対する対価ですので,最終的に事件処理に失敗したとしても基本的には着手金は返金されません。
そうしないと,何年にも渡って事件処理をしてきたにも関わらず,結果如何によってはタダ働きになってしまうことになるからです。
弁護士もボランティアで仕事をしている訳ではありませんので,最初に前金として着手金をいただかなければ仕事をやっていけないのです(世知辛いですが)。

そんな訳で,事件処理の依頼があった際に支払っていただくことになる着手金ですが,一番揉めるのが,依頼が途中解約となった場合です。
上記したニュースでも,正に依頼者が依頼を取りやめて,別の弁護士に事件処理を頼んだ際に,最初の弁護士が着手金の返還を応じなかったといった事案でした。
着手金はあくまで事件処理に着手したことに対する対価ですので,途中解約があったとしても一切返金しません,といった弁護士もいるかもしれませんが,一般的には事件処理の度合いに応じて返金するのが一般的のように思います(弊所も契約上はこの方式です)。
すなわち,依頼があった翌日に「やっぱり依頼を取り下げる」となった場合,事件処理に何も着手していないことになりますので,その場合は全額返金することが多いでしょう。
一方,事件処理が進んで,解決も間近となった段階で急に「やっぱり依頼を取り下げる」となった場合は,せっかく色々活動したのに全てタダ働きとなってしまうので,着手金の返還には応じられないとなるかと思います。
もっとも,元依頼者と着手金の返還について延々と揉めるくらいであれば,さっさと着手金を返還した方がトータルコストとしては安いと考える弁護士も多いでしょう。

いずれにしても,依頼者の方と契約をする段階で,きちんと依頼者に説明をしていれば,基本的には依頼者とそこまで激しく揉めることは少ないように思いますので,契約内容の説明を怠ることがないよう,今年も頑張っていきたいと思います(とってつけたような新年の抱負)。

略式起訴

  • 2014.12.05 Friday
  • 13:32
弁護士の村田です。

最近,ブログの記事を書くのをサボり気味になっていましたので,ネジを巻き直そうと思っている今日この頃ですが,今日は刑事事件の略式起訴のお話です。

略式起訴なんて言うと,普通の人は全く聞き覚えのない言葉かもしれませんが,刑事訴訟の手続にはそういう手続があるのです。

さて,では何のお話かと言うと,まずは刑事事件の流れをおさらいしておく必要があります。
すなわち,何か事件が起きて被疑者が逮捕されますと,3日以内に勾留されて,勾留は原則最大20日間であり,その間に検察官は起訴するのか,それとも起訴せずに不起訴にするのかを決めなければなりません。
そして,起訴する,と決めた場合にも,実には二種類の方法があるのです。

それが,通常起訴と,略式起訴です。
通常であれば,起訴されると,刑事裁判が始まり,いわゆる法廷で裁判官の面前で審理を受けることになります。

では,略式起訴とは何ぞやということですが,まさに裁判の手続を略式でやる方法でして,検察官が罰金で事件を終わらせてもいいと考えた場合,簡易裁判所に略式命令を請求し,その日の内に,裁判所が罰金または科料の制裁を加える旨の略式命令を発布して,裁判が終わる簡略式の裁判のことを言います。

この手続の場合,起訴と同時に命令が出て手続が終了しますので,その日の内に釈放されることになります(もちろん,罰金の支払いが待っていることになりますが)。
したがって,被疑者としては,正式な裁判を受けるよりは,略式起訴にしてもらった方が,罰金を支払うことになるにせよ,早くに釈放されますので,有利になるということがあります。

ただし,何でもかんでも略式起訴にできる訳ではなく,事案の争いがなく(すなわち被疑者が犯行を認めていて),事案として軽微な事件の場合には,検察官が略式起訴をしてくれることがあります。

具体的には,傷害の事件の場合で,被疑者に前科がなく,相手方の怪我の程度も非常に軽い場合などでしょうか。
そういった場合には略式起訴で終わる傾向が強いように思います。

さて,そんな略式起訴ですが,略式とは言え一応起訴されていますので,前科としてはきちんと残ることになります。
したがって,略式で罰金で済んだからと言って,交通事故の反則金と同じように考えていると,次また同じようなことがあった場合には,問答無用で正式裁判にかけられる可能性が強くなりますので,ご注意を。

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